進路のヒント 目指せグローバル人材 国際・教養・外国語を学ぶ

写真 南出 眞助 先生

これからのビジネスシーンでは、英語に中国語を加えた二言語の習得を。 言葉の背景にあるものも大切にしたい

追手門学院大学 国際教養学部長 アジア学科教授
南出 眞助 先生

国際教養系学部の成り立ちはさまざまですが、追手門学院大学国際教養学部は、文学部の2つの学科の先生方が中心になって開設されました。使える英語、使える中国語を身につけることに力を入れるのはもちろん、言葉の背景にある文化や歴史を学ぶことにも多くの時間をかけています。「長い目で見れば、それが語学力の向上にもつながる」と語る、南出眞助学部長にその特徴と目指すところをお聞きしました。

言葉や表現は、それ自体が独立したものではありません。あいさつ一つをとっても、歴史やそこから生まれた物の考え方、国民性や○○人気質といったものを反映しています。使える外国語を習得することは、グローバル化社会において不可欠ですが、言葉の背景を知っておくことは、ある意味でもっと大切かもしれません。返事の仕方一つにも伝統や文化は色濃く反映しています。単に直訳するだけでは理解できないことがたくさんありますから、将来、ビジネスで海外を訪れる際に、そういうことを知っていることはとても役立ちます。

本学部は、このような言葉の背景、つまり歴史や文化、さらには地理なども加えて、異文化理解に欠かせない様々な学問の専門家が、たくさん揃っているのが大きな特徴です。私はこれらの学問を学ぶことは、グローバル社会で活躍するのに不可欠なことであると同時に、外国語習得に際しても、いわば引き出しの役割をするものだと思っています。つまりこの数が多ければ多いほど、言葉に対する興味・関心と、それを学ぶ意欲が高まり、最終的にはその理解を深いものにしてくれると考えています。引き出しさえ十分備わっていれば、言語的な知識は後からいくらでも増やすことができるのです。

異文化を理解し、使える外国語を身につけるには、現地へ出かけるのが一番ですが、単に行って帰ってきて終わりではなく、通年授業と組み合わせているのが本学部の特徴です。

2つの学科のうちアジア学科で最も人気があるのが『アジアフィールドワーク』です。北京、マレーシア・シンガポール、タイまたは沖縄の中から行先を選び、20~30人ずつ3コースに別れ、さらに数人のグループ毎に設定したテーマに基づいて、7泊8日で現地調査を行います。授業としては現地調査が4単位、事前、事後の通年学習と8000字のレポートが4単位で、合計8単位です。グループ行動とはいえ、使える中国語や英語が前提になりますから、学生は積極的に語学研修に励んでいます。中国語を徹底的に学びたい学生には、南京大学での4週間の集中講義『中国語現地演習』(4単位)も好評です。

国際教養学部のもう一つの学科である英語コミュニケーション学科では、カナダ現地演習・カナダ文化演習がこれに当たります。春学期にカナダの文化・社会・歴史を調べ、夏の1ヵ月間バンクーバーに滞在して英語を集中的に学習しながら、異文化理解を深めるものです。帰国後の秋学期は各自の体験に基づいて英語で課題レポートを作成して発表するという1年間のプログラムです。

これらを支援するのが全学的な国際交流教育センターです。インドのグジャラート大学との提携40周年、オーストラリアのグリフィス大学との提携30周年を記念した2009~2011年の「国際交流推進年」には、ここが中心となって大学全体で国際交流が積極的に図られました。もちろんこのセンターや、国際交流推進年における取組みには国際教養学部が先鞭をつけたものも少なくありません。

卒業生の多くは、地元大阪の企業に就職していきますが、伝統的にアパレルや食品関係の会社が多いことから、今や中国との関係抜きには語れないところがほとんどです。現在国際教養学部では、英語コミュニケーション学科では英語を、アジア学科では中国語を身につけられるようになっていますが、英語、中国語の二言語が求められる時代に対応すべく、今後は二学科の垣根をできるだけ低くしていくことを考えています。また本学は、全国的にも珍しいオーストラリア研究所(1967年~)を擁して、オーストラリア研究の拠点になっており、オーストラリアに関する講義・演習も多数開設されていますから、英語や中国語を身につけ、アジア・欧米だけでなくオセアニアへも活躍の舞台を広げることができると思います。

※タイと沖縄は隔年開講。沖縄は、日本以外の国への渡航ビザが出ない中国人留学生の履修も多い。

高校生へのメッセージ

グローバル化に対応するには、ただ単に外国語を習得するだけではなく、広い視野を養い、物事を多面的に捉えられるようにならなければなりません。そのための訓練としては、まず新聞やTVのニュース、ドキュメンタリー番組などを見ることです。もちろん新聞やTVでも、インターネットほどではないにしても、情報はある程度、加工されていますから、常に他の見方ができないかを考えておくことも必要です。地理が専門だから言うわけではありませんが、その際、世界地図はいつも手元に置いておいておくこと。ニュースになっている都市や地域がどこにあるのかわからなければ、グローバル化どころではないからです。思考を訓練する方法としては、さらに効果があるのはディベートです。10~20人の小グループで、賛成・反対の両方のグループに分かれて立場を演じてみること。物事を多面的に捉える習慣が身についてくると思います。

きめ細かな対応で語学習得を応援

留学の窓口はたくさんありますが、協定校の中には成績証明のいるところも少なくありません。そのため留学する意欲はあっても諦めざるをえない学生も出てきます。そこで用意されているのが『目からウロコの英文法講座』などの教材を使ったやり直し英語講座。今春からは入学時に『英語プレースメントテスト』も試行され、その結果をもとにクラス編成が行われるなど、これまで以上にきめ細かな対応を目指しています。