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写真 南出 眞助 先生

中国へ長期留学 全国でも珍しい中国語による国際教養教育

佛教大学文学部長 中国学科教授
中原 健二 先生

中国は今やビジネスにおいては、日本に最も大きな影響を与える国です。その文化と言葉を学ぶことは、今後、きわめて大事なことだと思います。実際、中国と関わりがあったり、中国語を使ったりする仕事や職種はここ数年でもかなり増えてきているようで、こうしたところで働く卒業生も増えています。

中国学科は、1986年に中国文学科として開設されました。中国文学を専門とする学科としては珍しく、当初から、軸足を現代中国研究に置いてきました※1から現代中国を学ぶためのカリキュラムも充実しています。プログラムの目玉は、2005年から実施している吉林大学への長期留学です(コラム参照)。たいへんユニークなプログラムで、これを目当てに入学してくる学生もいるほどです。

吉林大学は、中国東北地方随一の大規模総合大学で、中国では北京大学などと同レベルに位置付けられています。留学は9月と3月スタートで、それぞれ4ヶ月ずつ※2。学ぶのは文学院(文学部に相当)付属の国際言語学院(外国人留学生に中国語を教える施設)ですが、単なる語学研修ではなく専門の単位も取れますから、半期ずつ合計8ヶ月参加しても、4年で卒業することが可能です。2年生で行く場合は、専門知識もまだ不十分ということで、専門の授業を日本語で受けることもできます。

学費は佛教大学への納入分を充当。渡航費と滞在費は必要ですが、日本や欧米に比べると物価はまだ安く、半期で40万円もあれば十分でしょう。先生方の指導も熱心ですから、語学もかなり身につきます。学生には中国政府公認のHSK(漢語水平考試)の現地受験を勧めていますが、成果は期待以上です。半期で旧HSKの7級(新HSKでは上から2番目の5級に相当)を取得した学生もいました。

こうした形での受け入れは、吉林大学にとっても新しい試みでしたから、うちのように中国では知名度の低い大学でも積極的に受け入れてもらえたのだと思います。

このプログラムでのうれしい誤算は、学生たちが、異なる文化の国の人たちと友だちになれる力、共に生活できる力を身につけて帰ってくることです。吉林大学は留学生教育でも有名で、中国語を学びに世界各国から学生が集まっています。特に多いのは韓国からの留学生ですが、アメリカの陸軍士官学校のエリートなどもいます。年代も近いせいか、学生は友人をたくさん作って帰ってきますが、中には留学中に朝鮮語の勉強を始め、帰国後、韓国への交換留学生になった学生もいます。

これからの時代、語学の能力はもちろん、他の国の仲間とつきあえる力を身に付けることは、社会へ出ていくためにとても大切な力になると思います。

※1 一方で古典もおろそかにせず、思想や哲学にも力を入れている。歴史については歴史学部で学ぶ。
※2 半期だけ、全期のどちらも可能。参加できるのは2年の秋以降。

高校生へのメッセージ

中国語コースのある高校が増えてきましたが、高校までに中国語を学んだことがなくても大学での勉強にはまったく支障ありません。発想法が英語よりも日本語に近いですから、集中的にやれば飛躍的に伸びると思いますし、実際、4ヶ月、8ヶ月の留学で驚くほど話せるようになる学生も多くみられます。大事なことは、高校までに日本語をきちんと学んでおくこと。日本語がしっかり身についていればいるだけ、英語でも中国語でも、外国語の習得にはいい影響が出ます。

西北大学短期留学

短期留学としては、24年もの歴史を持つ西北大学(西安)への2週間の語学研修がある。文学部から始まったが、現在は全学部の学生が1年生から参加できる。中国での語学研修としては珍しく、午前午後とも授業が行われるため密度も濃く、中国語や中国について学ぶ意欲を高めるのに効果的だ。