先輩たちからのメッセージ

2008年合格者座談会1 絶対あきらめない。目標が高ければ得るものも違ってくる。

We can change.とNever give up.
先頃終結したアメリカ大統領予備選の民主党候補者両陣営のメッセージは、そっくりそのまま受験にも当てはまる。今春、見事に合格を勝ち取った6人の先輩に集まってもらい、まずその受験時代を振り返ってもらった。第一志望の大学へストレートで合格した人、最初の年の失敗を糧に一年後に夢を叶えた人、思わぬ結果に喜ぶ人、第一志望は逃したものの、新しい道を前向きに歩き始めた人。様々な経歴・体験とそれぞれの思いは受験について真剣に考えるみなさんにとって貴重なアドバイスになるに違いない。キーワードは高い目標、あきらめない、地道な努力、そして自分を変える、だ。

写真 今春、見事に合格を勝ち取った6人の先輩

座談会出席者 ※全員1年生
写真 松本 陽くん松本 陽くん
一橋大学商学部(現役)
出身高校:私立洛南高等学校
(京都府)
写真 瀬戸 淳平くん瀬戸 淳平くん
東京大学文科一類(1浪)
出身高校:私立駒場東邦高等学校
(東京都)
写真 伊藤 弘了くん伊藤 弘了くん
慶應義塾大学法学部法律学科(1浪)
出身高校:愛知県立時習館高等学校
写真 加藤 玲奈さん加藤 玲奈さん
慶應義塾大学法学部政治学科(現役)
出身高校:私立頌栄女子学院高等学校
(東京都)
写真 松本 卓也くん松本 卓也くん
東京大学(現役)
出身高校:私立久留米大学附設高等学校
(福岡県)
写真 村上 愛実さん村上 愛実さん
慶應義塾大学総合情報学部(現役)
出身高校:富山県立富山高等学校

センスよりも努力。どんな状況に置かれても前向きに。 松本 陽くん

写真 松本 陽くん

受験生へのメッセージ

僕が伝えたいのは勉強はセンスじゃないということ。実は僕には、小中学校の頃、勉強ができる人は最初から頭がいいのであって努力してもどうしようもないという考えがありました。ところが中学2年の時に、学年1位の友だちがすごく勉強していることを知り、その時から意識が変わりました。苦手な数学を中心に一生懸命頑張りました。するとある時、東大実践模試で数学が満点取れたんです。

やっぱり勉強はセンスではない。努力すれば自分は変えられるし、いちばん大切なのは絶対にあきらめないことだと思いますね。

志望校選びについて

僕の第1志望は東京大学の文科III類でした。きっかけは中学3年の時に「何で自分はこんなに勉強をしているんだろう。今の勉強が将来本当に役に立つのだろうか」という疑問をもったこと。この疑問を解決するには、日本の教育について学ぶ必要があると考えるようになったのです。そこで現在の教育制度、学校教育について研究している大学を調べ、高1の時に東大や京大の教育学部の先生に自分で電話をかけ、いろいろ話を聞かせていただきました。また高2の時には両方の大学のオープンキャンパスにも参加。その時に東大で出迎えてくれた教育学部に行っている先輩が、日本の教育の現状と問題点、将来の展望などを熱く語ってくれて、それに刺激され「絶対に東大に行きたい」と思うようになりました。

ただ、私の父が若い頃、一橋大学をめざしたものの夢叶わず、教育大学に入って教師になったということもあったため、一橋大を薦められてもいたのです。正直言って東大しか眼中になかったのですが、半分親孝行のつもりで、前期試験では東大文III、後期試験では一橋大商学部に出願しました。結果は東大が不合格で、一橋大が合格でした。ずいぶん悩みましたが、新たな道も開けるのではないかと思い一橋大に入学しました。

入学後にわかったのですが、一橋大は科目選択がかなり自由で、幅広く勉強できるという特色があります。現在はそのメリットを活かし、多角的な視野を養おうと前向きな気持ちで学んでいます。

自分で勝手に限界を作らないこと。少しでも高い目標を決めて頑張れ! 瀬戸 淳平くん

写真 瀬戸 淳平くん

受験生へのメッセージ

勝手に自分自身に限界を作ってはいけないと思います。自分が本当に行きたい大学があるのならば、はっきりと目標を定めて、それを達成するために努力することが必要ですね。そして自分を冷静に、客観的に見つめること。「何とかなるだろう」と自分を甘やかしたり、逆に実力があるのに慎重になりすぎるのもよくないですよ。僕が現役で合格できなかったのは、そこができていなかったから。それを教訓にして浪人生活を送ったからこそ、合格を手にできたのだと思いますね。

志望校選びについて

小学校6年生くらいから、「弁護士になりたい」と思うようになり、中学生になると「弁護士は社会に不可欠な職業だ。自分はそういう仕事に就きたい」と、はっきり意識するようになりました。それ以来ずっと法学部志望。志望大学というのは特になかったのですが、少しでもレベルの高い大学に進学したいとは考えていました。優秀な仲間と一緒に学べ、授業のレベルも高いだろうから、自分の夢を叶えるにはこれ以上ない環境に違いないと思っていたからです。

そんな漠然とした思いが、明確な東大志望へと変わったのは高2の時に読んだある受験情報誌のコラムがきっかけです。そこには「東大なんかに行けっこないなどと、自分で勝手に限界を決めて判断するな。それは実際に受験して東大の教授に決めてもらうことだ」といった主旨のことが書かれていました。それを読んだ僕は、「少しでもよい大学を第1志望にすれば、結果的には第2志望、第3志望にも受かる可能性が高くなるだろう。よし東大文Iを第1志望にしよう」と思ったのです。そこで高2の冬から少しずつ受験勉強を始めました。実際、受験までには、志望校のランクを落とすことを考えたこともなかったわけではありません。でも最後まであきらめず、あくまで東大第1志望を貫いた結果、無事合格することができました。

目の前の課題に没頭しよう。受験には苦労や不安はつきもの。 伊藤 弘了くん

写真 伊藤 弘了くん

受験生へのメッセージ

正直なところ、受験生生活はとても辛かったです。先が見えないし、自分なりに必死に勉強したつもりでも、結果は受験してみなければわからない。どんなに確実視されている人でも落ちる時は落ちるし、逆のケースもあり得ますから。こんなふうに考えてしまい、精神的にキツくなったこともありました。だからこそ僕が思うのは、余計なことを考えずに、今自分の目の前にある課題に没頭して勉強したほうがいいということ。気持ちを集中させて受験を乗り切ってほしいですね。

志望校選びについて

「どうせなら一番上を」という意味で、第1志望は文系の中では最難関の東大の文科I類にしました。僕の出身高校からは、地元の名古屋大学に毎年40~50人進学しますから、僕も最初はとりあえず名古屋大学を志望校にしていたのですが、高1の秋、担任の先生との面談で、「今から名古屋大学に決めてしまわなくても、自分が行きたいと思う大学を志望校にすればいい」と言われ、それ以来進路調査や模試には「第1志望東大」と書くようになりました。

文Iにしたのは法律に興味があったためですが、法曹界をめざすといった明確な将来像を描いていたわけではありません。トップの大学に進学すれば、その後の進路についてはいろいろな可能性があるだろうと思ったからです。しかし現役の時は東大受験に失敗し、私学はまったく受験しなかったため、浪人することになりました。1浪後の再チャレンジでは、前期で東大文I、後期で一橋大法学部、私学は慶應義塾大学法学部、早稲田大学法学部などを受験。残念ながら東大、一橋大は不合格でしたが、私学にはすべて合格しました。東大での敗因は苦手な数学を克服できなかったこと、一橋大受験では前期試験が終わった段階で脱力状態になり実力を発揮できなかったことだと思います。その一方で、特別な対策をしなくても私学に合格できたのは、国立受験型の勉強で私学受験にも充分対応できたからではないでしょうか。

受験が楽しいか苦しいかは心の持ち方次第。AOの失敗が、進学の目的意識を一層明確に。 加藤 玲奈さん

写真 加藤 玲奈さん

受験生へのメッセージ

私は受験生の間は幸せだなと思って過ごしてました。というのも「この大学に行きたい」「大学に行ったらこんなことがしたい」といった夢を持っていられるから。そう思うからこそ勉強も頑張ることができました。受験勉強は自分のことだけを考えてやればいいのである意味ではラクでしたし。受験生生活が苦しくなるかならないかは、自分自身の考え方次第ではないでしょうか。

AO入試対策のため、いろいろな方からアドバイスを受けたことも知的好奇心がくすぐられ、とてもよい経験になりました。

志望校選びについて

もともと教育と政治に興味があり、そういった分野が学べる学部が希望でした。また大学では本気で勉強したいと思い、いろんな刺激を受けられそうな早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学を志望校に。筑波大学を考えた時期もありましたが、数学が苦手だったため、高1の夏頃には国立大学は選択肢から外し、私立専願で受験することにしました。

第1志望は早稲田大学政治経済学部。大学の雰囲気が好きだったのと政治が学べるというのが大きな理由です。まずAO入試でチャレンジしたのですがダメで、一般入試で合格することができました。ところが合格は難しいだろうと思っていた慶應大学法学部政治学科にも合格。少し悩みましたが、偏差値が早稲田の政経よりも上で、なおかつ政治学を専門に勉強できる点に魅力を感じ入学することにしました。

早稲田のAO入試に失敗したのは、対策がやや遅れたからかもしれません。受けると決めたのは高3の春でしたが、実際に対策を始めたのは夏休みでした。ただ不合格にはなったものの、自分の志望理由も明確になりましたし、大学進学に対してモチベーションも上がったので、受験してよかったと思っています。

子どもの頃からの夢は外交官。父の仕事の関係で小学校4年から6年までをアメリカで過ごしたこともあって外交に関心を持つようになったのです。もっとも現時点では進路をあまり狭く考えず、幅広い視野や知識を身につけていきたいと考えています。

偏差値30からの挑戦。動機は不純?でも地道な努力が自慢。 松本 卓也くん

写真 松本 卓也くん

受験生へのメッセージ

ありきたりですが努力が大切だと思います。僕は小6で受けた大分県の某塾の模試の偏差値が30台だったんです。そこで発奮し必死に高校受験の勉強をした結果、久留米大学附設高校に合格。ギリギリで合格したのを自覚していたので、入学後も頑張り続けました。ただ、定期テストでは上位でも模試だとイマイチ。それでも地道な努力を続けた結果、それが実を結んで、高2の最後の模試で初めて校内の文系で1位になったんです。決して優秀とはいえなかった僕が東大に合格できたのは地道な努力の成果だと思うんですね。

志望校選びについて

僕は高校に入学した時点で、東京大学をめざすことを心に決めていました。動機は不純なもので、具体的にやりたいことや目標があったわけではなく、ただ地元の友だちに「すごい!」と思われたいという単純な理由からでした。それに「自他共に認める日本の最高学府なら満足度はきっと高いに違いない」という考えもあったため、受験勉強中も東大に行っても後悔はしないだろうと思っていました。

漠然と官僚になりたいとは思っていたので、最初は文科I類を第1志望に。ただ高1の時には頑張って勉強したわりには成績が伸びませんでした。そこで目標はあくまでも“東大合格”とし、文Iにこだわるのではなく、文IIや文IIIでもいいというふうに気持ちを切り替えて勉強しました。高3になると成績が上がったため「よし文Iをめざそう」と決意したものの、やはり不安で、文II、文IIIと気持ちは揺れ動きました。高校の先生からは「文Iで大丈夫」と言われ、直前までそのつもりでいたのですが、センター試験の国語で失敗。それと高2の時に東大のオープンキャンパスに参加し、たまたま経済学部を見学したこともあって、最終的には文IIに出願し、合格することができました。

紆余曲折ありましたが、文IIを受けた時点で「経済学を学ぼう」という気持ちが固まったように思います。現在は官僚にはこだわっていませんが、東大に行くからには自分の力を社会に還元できるような仕事に就きたいと考えています。

大切なのはスタートダッシュと集中力。量より質でスポーツと両立。 村上 愛実さん

写真 村上 愛実さん

受験生へのメッセージ

受験勉強はスケートボードのハーフパイプのようなもの。やっているうちに必ず苦しい時、ハーフパイプでいうと底の部分がやってきます。それを乗り越えるには最初のダッシュが大事なんですね。だからこそ今からがむしゃらに頑張ってほしいと思います。もう1つは集中力ですね。

私は子どもの頃から水泳に打ち込み、日本選手権に出場したり国体では決勝へ進出したりもしましたが、それだけに勉強時間には限りがありました。“量より質”を信じ、集中的に勉強したことが第一志望合格に繋がったと思います。

志望校選びについて

子どもの頃、近所に住んでいた方が中国のお土産をくださったり、友だちが中国に行ったり、また私自身が水泳のジャパンチームの中国遠征メンバーに選ばれたこともあって、中国という国は身近な存在でした。ただ靖国問題や教科書問題など、日本と中国の間には未解決のまま先送りされている問題がまだまだたくさんあります。私は歴史認識の違いなどから生まれるこれらの諸問題を、少しでも是正するにはどうしたらいいのかに関心があり、それが学べる大学に進みたいと考え、慶應義塾大学総合政策学部を第1志望に選びました。

総合政策学部は本当に何でも学べるところで、同じSFC(湘南藤沢キャンパス)にある環境情報学部との垣根も低く、両学部合わせて10系列35分野から学ぶことができるのです。私がやりたいと思っていることには、語学はもちろん、経済学、社会学、心理学、それに宗教に関するさまざまな知識や視点が必要ですから、まさに理想通りだったのです。

勉強と水泳を高いレベルで両立するのはとても辛かったですが、絶対に途中であきらめないと心に誓って全教科を頑張り、AO入試出願に必要な評定平均値を確保しました。具体的なAO対策をスタートしたのは高3の7月頃からです。私の場合、大学でやりたいことははっきりしていたので、それをしっかりアピールすることに力を注いだことが、合格につながったのだと思います。