東大合格者座談会 私たち、こうして東大に合格しました!

2010年春、東京大学に合格した先輩6人に、おすすめの勉強法や秋以降の過ごし方について話し合ってもらいました。
着実に努力を重ねた先輩、落ちこぼれからスタートした先輩、二年目に夢をかなえた先輩。
さまざまな経歴・思いを持った先輩方の体験談からは、どんな大学を目指す人も、盗めるところがきっとあるはずです。

おすすめの勉強方法

雨山さん/私は、暗記しなければいけないものは絵を描いて覚えていました。日本史なら、この事件にはだれとだれが関連しているといったことをデフォルメして描くわけです。数秒で殴り描きする。絵は下手ですが、それでも自分の頭に浮かんでくればいいんです。テスト前にやっていて効率がよかったので、受験勉強にも応用しました。一般的にも絵と一緒だと覚えやすいと聞きますから、間違ってはいないはずです。

ちなみに「日本史」は、学校の先生や東大に合格した先輩が薦めてくれた問題集を使って、独学しました。二次試験対策の記述から入ってもセンター並みの知識はついたので、直前でもあきらめずに繰り返し解くことが大切だと思います。

久保田くん/地理歴史などは書き直す時間がもったいないと思い、「書き直さないぞ」という気で、ボールペンで60字なら60字のマス目に書く練習をしました。いきなり書き始めずに、考えをまとめて、これなら書けるという状態で書き出す。その方が書き直すより絶対に時間がかかりません。会場でもボールペンを使っている人を見たことがありませんから、独自の方法ではないかと思います。

伊豆本くん/歴史だけでなく、英単語や物理、化学などでも語呂合わせをよく使っていました。物理の単振動ではA=-ωXという式を使うとうまくいきますが、これがなかなか覚えられず、友達の「アニオメオメックス」という語呂合わせで覚えられました。

岡さん/ 手帳サイズのリング式のノートで「ワンポイントノート」を作っていました。教科別にページを作って、どうしても覚えられない公式などをまとめて書いておいて、試験前に確認していました。リング式なので自由に増やせますし、覚えたページは外せばいい。試験前に見直しをするにも役立ちますし、何よりもこれだけやったということが目で確かめられて自信が持てました。

金くん/物理・化学などは特に、受験範囲の終わった秋頃に演習をやりたくなるものですが、その際、本番と同じ大問3題ほどを自分で選んで、東大の答案用紙をコピーしたものに解くといいと思います。初めは設定時間を長めにしても構いませんが、少しずつ短くしていって、最後は本番より短い時間で解くようにする。僕は冬頃から取り組みましたが、かなり解くスピードが上がりました。東大の回答用紙は線も何もなくて独特ですから、回答用紙の使い方の勉強にもなりました。

憶えることと書くこと

編集部/合格のためには、知識量が必要ですか?

久保田くん/歴史は知識量だと思います。知識があれば、教科書などは何度も読んでいるので、それなりの文は書けると思う。

岡さん/理系科目もある程度覚えていないと、時間が足りなくなります。

久保田くん/数学は結構論理的に考えました。

伊豆本くん/数学は確率や行列などは、意外と暗記で解ける部分も多いので、ヤマをはったところくらいは暗記するといいと思います。

後、英単語はそんなに難しいものは出ない。読解力、論理力ももちろん求められますが、オールラウンドに見られるので、むしろ問題意識やリスニング力、作文力をつけないといけません。

雨山さん/東大の英語は時間配分に困るほどの長文ですから、読む速度上げるか、読みながらある程度意訳できるように、できるだけ多く問題を解いたり、色々な英文を読んでみたりすることも大切です。

国語は、自分でわかっているつもりでも、記述力がないとわかっていないと判断されやすいので、過去問などに当たって、解答は自分の書いた文章の論理が通っているかを学校や塾の先生に見てもらうといいと思います。英語でも要約和訳の難関大問題集を買って、添削してもらっていました。

岡さん/私も現役の時は全科目、高校の先生に添削してもらっていました。生物などは特に自分で解いてもあっているかどうかなかなかわからなくて。

金くん/うちでも学校の先生に添削してもらっている人はいましたが、僕はほとんど予備校中心でした。

青木くん/うちは学校に頼らざるを得ない状態だったので、英語、国語、地理は学校でした。

夏をうまく過ごせなくても、あきらめない

金くん/僕は予備校で「夏が天王山というのは嘘だ」と聞きました。
たしかに現役生は自由な時間が増えますが、10何時間勉強したというのは正直がんばりすぎだと。秋以降は演習なども始まるので、弱点をなくすなど、秋からの勉強につながることをする方が大切だと言われました。時間があるといっても夏で全部やることは不可能ですし。

伊豆本くん/現役の時は9月に文化祭があったので、文化祭の練習に明け暮れ、それが終わった後も友達と遊んでしまい、ほとんど勉強できませんでした。浪人中も、夏休み中は予備校の自習室が混んでいてやる気をなくしました。ただし、最低限はやっていました。

雨山さん/私の学校では、難関大を目指す人十何人かが集まって、1日何時間勉強したかを毎日ネットの掲示板に書き込むキャンペーンをやっていました。私は夏の模試ではE判定だったこともあって、「今日は18時間」という書き込みを見て逆にやる気を失って、あまりがんばれませんでした。ただ、夏にがんばれなかったという気持ちが、本番前のがんばる力につながったのではないかと今では思います。冬休み前や本番前にがんばるとまだまだのびます。

事実、数学は本番3日前にのびました。それまでは勉強が足りなかったのか、方法が悪かったのか、本当にできなくて、一気に何十点ものびた感じです。見るに見かねたのか数学の先生が、本番ひと月前に大量の過去問を添削してくれて、それで傾向がつかめたのか、何かが目覚めたようでした。それまで、このままでは0点に近いと思っていたわけですから、ひと月前でも決してあきらめないことが大事です。

金くん/僕も本番2週間前くらいにリスニングを毎日1時間程繰り返したり、過去問を解いたりしていたら、本番では全問正解じゃないかと思うほどできました。学校の先生にはあり得ないと言われましたが。リスニングは一旦のびるとすぐに点数が上がりますから元々苦手な人には効果的だと思います。

岡さん/現役の時ですが、センター終わってからの直前1か月で生物がぐっとのびました。

久保田くん/現役生にとって、二次試験の過去問に一番集中できる時期はセンター試験後だと思います。集中してやれば、絶対のびる。1月31日までが期末試験でしたから、集中して勉強できたのは2月からでしたが、その後の3週間、過去問にひたすら取り組むことで、すごくのびたと思います。僕は邪道かもしれませんが、記述の練習も2月くらいからやってかなりのびました。

青木くん/あきらめるのが一番悪いと思います。ただ僕自身は、模試の判定が悪くても受かる受験生は全体の中では微々たるものだし、最後までのびるということに自分としては自信がなかったので、常に淡々とやっていました。

青木太一くんの写真

文科3類

(土佐塾中学高等学校出身)

青木 太一くん

高校受験がなく、中学の頃はずっと遊んでいた。そのツケが高校で回ってきて、まったく勉強ができなくなった。奮起して勉強を始めたところ、高1の冬に担任から「君みたいに目標がないタイプは東大に行って、進学振り分けを使って色々考えるといい」と言われ、東大を目指すことに。将来の目標は考え中。

英語は東大・京大の英語25ヵ年をこなした。前者で形式に慣れ、後者の良質の長文50題を解くことで長文への苦手意識を克服できた。地歴は教科書の内容が浅い場合があるので、できるだけ幅広く、色々な種類の問題をやろうと、予備校が出版している東大模試の過去問問題集や他大学の問題に取り組んだ。社会は論理力や記述力より知識量で差がつく。

放課後に友達とたわいもないことを話すのが一番の息抜きでした。

伊豆本聡くんの写真

理科2類

(日比谷高等学校出身)

伊豆本 聡くん

高校に入学した当初の「東大に行きたい」との思いは、わずか1ヶ月でしぼんでしまった。しかし、高2の冬から再び東大を目指すように。課外活動では、バドミントン部の部長なども務めた。現役合格は逃したものの「これから1年本気でやるぞ」と気合いを入れて浪人生活を過ごした結果、見事合格。文系にも興味があるので、文系にも強い理系人材になりたい。

センター試験の物理・化学では二次試験に出ない範囲も出題されるため、二次に出なくてセンター試験には出るところが凝縮して載っている、東京出版の『センター対策マニュアル』が役立つ。

学校の行事にも積極的に参加したことで友達もたくさんできたし、1年間浪人してでも、高校生活で部活、行事、遊びを目いっぱい楽しめてよかったと思っています!

岡実穂さんの写真

理科2類

(都立西高等学校出身)

岡 実穂さん

中学の頃から医療系の職業を目指していて、高校ではがんの研究か治療をしたいと考えるように。医学か薬学かを迷っていたが、高3の夏に初めて薬学部志望に決めて、東大を目指すようになった。将来は新薬の研究、抗がん剤の研究をしたいと思っている。

『ゴロで覚える古文単語―ゴロ565(ゴロゴ)』(アルス工房)を使って全て語呂で覚えると、古文が読めるようになり、一気に成績が上がった。他はほとんど参考書を買わずに、学校で使うプリントを使った。過去問は先生に見てもらったり、友だちと添削しあったりした。採点は自分以外の人にやってもらう方が絶対力になると思う。

行事が大好きで、高校ではクラス代表やイベント実行委員をよくやっていました。勉強時間はかなり削られたと思いますが、友達との関係も深まるなど、他では得られない感動もあり、やっていてよかったと思います。勉強ばかりだと煮詰まりますし。

金剛洙くんの写真

理科1類

(早稲田中学高等学校出身)

金 剛洙くん

中高一貫だったこともあり、中学の間は部活や遊びが中心で、勉強は意識していなかった。高1の時にそのまま早大に行くのか、国立に出るのかを考えて、早大へ進まないなら東大しかないと考えた。予備校頼みでみっちり勉強した。

自分で唯一、全部解いた問題集は物理の『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)。また、東大を受ける人は『東大の○○25カ年』という教科別の過去問題集を早めに買った方がいい。

中高一貫で部活ができたのは色々な思い出作りや仲間作りにとてもいい経験でした。

雨山楓さんの写真

文科3類

(北海道帯広柏葉高等学校出身)

雨山 楓さん

中学までは勉強が苦手でいわゆる"落ちこぼれ"。高校ではそんな自分をリセットしたくて、授業の復習をはじめとする勉強の習慣を身につけ、家庭学習の時間を増やした。高2の夏の模試後「もう少し上を目指してみないか」と担任に言われたのがきっかけで、志望校を北大から東大に変更。直前まで模試の成績はEランクだったが、無事合格。将来は国際関係の仕事に就きたいと考えている。

数学の『青チャート』(数研出版)は解法も細かく、全部解くのは大変だが、全部解けば基礎ができるので東大の問題にも応用できるはず。日本史の記述の問題集は、難関大の過去問をベースにして解説がついているもので、東大だけでなく同じくらいの難易度で世界史が難しいといわれる一橋なども含む問題集を、教科書で調べながら、繰り返し解く。国語、数学は東大、京大クラスになると特性が出てくるので、何度も過去問を解く。それを身近な人に見てもらうのが一番。

昔から読書が大好きで、お風呂の中で単語帳を読もうとするものの、結局小説を読んでいました。

久保田英明くんの写真

文科2類

(千葉県立千葉高等学校出身)

久保田 英明くん

高校に入学してから、ふつうに定期テストの勉強をしていたつもりが、初めての評定がクラスで3番。千葉高では、クラスで3番以内なら東大にいけると聞いたことがあったため、東大を意識するように。高1の春から東大一本、天狗にならないように着実に勉強した。昔から漠然と日本を動かしたいと考えていて、将来は国家公務員などに就くことも考えている。

進研ゼミがやっている東大特講√Tの問題集が役立った。センター科目系は、毎月割り当てられているものを信じてひたすらやった。数学は『大学への数学』(東京出版)で基礎力をつけて、後は過去問を解いた。また『速読英単語 必修編』(Z会出版)を、CDを流しながら音読すると楽しく身に付く。上級編もあるが、まったく勉強しなくても東大の文章は読めた。英単語はそこまで難しいものは出ないが、オールラウンドな力をつけるのが大事。

毎週月曜日に発売される『少年ジャンプ』が大好きで、それを楽しみに1週間を過ごしていました。生きがいのようなものなので、受験期ももちろん読んでいました。