難関大学合格者座談会 私たちこうして東大に合格しました!

恒例の難関大学合格者による座談会。
今年は昨年に続き東京大学合格者に集まってもらい、高校時代の過ごし方や勉強方法などを振り返ってもらうとともに、将来の夢についても語ってもらいました。

気になることはすべてやってみよう

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鳥越 幹大 くん

1年 文Ⅲ

(東京都立国立高等学校出身)

受験勉強では知識を教え込まれるものが多かったので、自分で問いをたてて自分で解決するような勉強もしてみたいと考えるようになりました。そのため将来は、大学院へ行って社会学系の研究者になりたいと思っています。研究対象として東京ディズニーリゾートにとても興味があるので、それらに関する大衆心理や行動心理を調査してみたいです。

本を読むのが好きで、現代文は得意でした。やはり読書量と比例するのではないでしょうか。評論なども、書いている人の気持ちを考えたり、文章を深く掘り下げて、批判的に読むととても楽しめます。ただ他の科目はどれも苦手で、基礎が根本的に欠けていたと思います。

国立高校の3年生にとっては、9月の文化祭をいかに成功させるかが最大の関心事だと言っても過言ではなく、みな受験勉強との両立には苦労していたようです。受験勉強を本格的に始めるのはそれが終わってからという人が大半で、僕自身も夏休みにはひたすら文化祭の準備をしていました。ただ、切り替えを上手にできれば良かったのでしょうが、僕はそれに失敗し、まったく準備不足のまま受験に臨むことになりました。結局、本番では合格最低点から90点ほど足りず不合格でした。

浪人してからは、まず基礎を固めることを第一にしました。そして、最高点で受かる必要はなく、知識のモレさえ作らなければ、たとえ合格最低点であってもすべりこめるはずだと信じて、勉強のモチベーションにしてきました。

現役で合格できるにこしたことはないとは思いますが、僕は文化祭には思い切り参加できましたし、部活でも全国大会まで行けましたから、高校生活にはとても満足しています。高校時代は3年間しかありませんから、やりたいことを受験のために犠牲にするのはもったいないと思います。興味を持ったことすべてに手をつけてみるのもいいのではないでしょうか。浪人して親に負担をかけたのは申し訳ないと思いますが、それも僕にとってはとてもいい経験でした。

自分なりの勉強法を

福留千紗さんの写真

福留 千紗 さん

1年 文Ⅰ

(東京学芸大学附属高等学校出身)

法学部に進んで、将来は裁判官になりたいと思っています。祖父から女性は手に職をつけた方がいいから医者か裁判官になりなさいと言われてきたのと、伯父が裁判官で話を聞くことが多かったので、昔からぼんやりと意識していました。実際、法学の授業は面白いので、目標目指してがんばります。今のところは、予備試験を受ける人たちと一緒に勉強しようと思っています。

うちは9月に学園祭があって、各クラスが演じる劇がメインでした。役のある人は、夏休みの20日間くらいは学校に来て練習、帰ってからも練習と、準備で夏休みがほとんどつぶれます。それでも、ヒロイン役の子が文Ⅲに受かりましたから、勉強はやろうと思えばいくらでもできるという先生たちの言い分は正しかったと思います。

私は入った塾で、途中から東大を受ける人ばかりを集めた特別コースに通うようになりました。しかしそこでもらう合格体験記には、模試の成績のいい人ばかりが載っていて、偏差値もすごく高いですから、見る度に落ち込んでいました。しかも日本史と世界史の勉強方法が知りたかったのに、あっさりと「教科書3周読みました」とか、「この参考書を2回やりました」などと書いてあって、私にはできないなと思っていました。結局、秋頃に勉強方法は自分で探さないといけないと気がついたのですが・・・・・・。

英語と、文系の割には数学が得意な方だと思っていましたが、なかなか安定していい点数が取れません。そこで点数にとらわれず、自分がどれぐらいできたのかとか、テストを受けて感覚的に足りていないと感じたところを重点的に勉強するようにしました。苦手科目ではすぐに効果は表れませんでしたが、模試と最終的な試験とは採点の方法が違いますから、基本的なところを何度もしっかりやることがとても大事だと思います。

周りのみんなに感謝

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延命 朋希 くん

1年 理Ⅰ

(西宮市立西宮高等学校出身)

星を見るのが好きで、高校では天文部に所属していました。学校には大きな望遠鏡やドームなどの立派な設備がそろっていて、月1回ほどある泊まりがけの観測会には、受験期でも参加していました。初めは天文学を専門にしようかと考えていましたが、ハッブル天文台の写真集などを眺めているうちに、宇宙のこんな姿を撮れるものを人は作れるのかと感動して、宇宙工学系の仕事に就きたいと考えるようになりました。

もう一人の東大に受かった友人と、京大に受かった友人の3人が仲良しでしたが、高2の終わりに2人ががんばって勉強している話を聞いて、自分も本格的に受験勉強を始めることにしました。家でするだけではやはり限界があると思って、同じ塾に入りました。ただ、もともと授業を受けるのが好きではなかったので、自習室がメインでしたが。

うちの高校は、現役合格は10年ぶりと言われたくらい、東大への進学実績が少なく情報もありません。そこでどんな参考書がいいのかをインターネットで調べるなど、勉強方法も自分で考えました。

当初は英語と物理、数学はできると思っていましたが、夏の東大模試ではE判定で、英語以外はすべて苦手科目であることが判明しました。E判定で受かった人の話も聞いたことがなかったし、がんばってきたつもりだったのにもう終わりだと思いました。それでもやめるわけにはいかないので、その後は1秒もスキを作らないくらい勉強しました。歩きながらはもちろん、寝付くまでの10分ももったいないので、問題を見てから布団に入るようにしていました。結果的に、秋にはA判定を出すことができましたから、月並みですが、「あきらめずにやればできる!」と言いたいです。

それと、共にがんばる仲間がいるのはやはり大切だと思います。なんといっても一番の励みは、彼らががんばっている姿でしたから。

学校を信じる。楽しめる科目を一つもつ

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周 健治 くん

1年 理Ⅰ

(埼玉県立浦和高等学校出身)

高1の頃は、地球温暖化を解決するような技術を開発したいと思っていましたが、高2の担任が物理に熱心で、話を聞いたり、薦められる本を読んだりしているうちに、物理に関心を持つようになりました。「大学の量子力学と相対論を学ばせるために自分は物理を教えている」という変わった先生でした。いまは素粒子の研究者になるのが目標ですが、才能がなければ、工学に進んで就職するつもりです。

うちの高校は仲間意識が強くて、家庭研修の期間でも朝から登校して教室や図書館で勉強する生徒が多かった。学校側も仲間と切磋琢磨したり励まし合ったりするのを薦めていました。

部活も行事も盛んで、高3でたとえE判定でもかならず巻き返せるという雰囲気もありました。もっとも、いろいろな生徒がいますから、ぎりぎりまで部活をやって、塾へも行かず、ほとんど学校の授業だけで受かる人もいれば、学校では内職ばかりして現役トップで合格する人もいる。僕は前者ですが、結局大切なのは、どうやったかではなくて、どれだけ集中してやったかだと思います。勉強方法としては、やり方で悩まないこと。自分の信じる方法で一心不乱に勉強すれば、どんなやり方でも受かると思います。

僕自身も、勉強方法は自分で考えるものと思っていたので、先輩の合格体験記などはほとんど参考にしませんでした。ただ、模試の結果で一喜一憂しないことなど、精神面のアドバイスは役立ちました。

苦労した科目は国語と化学。国語は現代文が特に苦手で、学校の講習には出ましたが、半ば諦めていました。古文と漢文では単語をひたすら覚えました。化学と物理は数研出版の『重要問題集』を主に使っていましたが、化学は趣向が違ったので、河合のオープンや駿台の実戦模試の過去問で、東大の出題形式に慣れるようにしました。

集中すること

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徳川 詩織 さん

1年 文Ⅲ

(石川県立金沢泉丘高等学校出身)

専攻したいものが特に決まっていませんでしたから、消去法で文Ⅲを選びました。高校ではESSに所属し、外国の方と英語で話すのが好きですから、将来は、国際関係の仕事ができればと思っています。国際協力にも関心があり、大学ではMPJ(ミレニアムプロミスジャパニーズ)という、アフリカの貧困をなくそうと活動しているサークルに所属しています。教育関係にも少し興味があるので、進振りまでに決めたいですね。

他府県の公立校と同様、やはり文武両道を掲げ、部活動や学校行事が盛んでした。部活は、高3の6月頃に大きな大会が終わると引退することになっていて、その後は勉強モードになりますが、高校最後の学校行事をみんなで成功させようと、8月末の文化祭前の1週間は準備のために、誰一人として勉強している人はいませんでした。また夏休みも全般的に準備で忙しいですから、どうしても勉強が遅れ、秋の模試の結果はあまりよくありませんでした。みな9月に入ってからあせって勉強するという感じでした。

金沢の高校ですから、志望校としては金沢大が一番多く、次が京大。現役で東大を受けたのは文系では4人でした。先生方の受験指導のスタンスは、とにかく合格実績を伸ばせばいいというのではなく、生徒が行きたい大学に行けるよう全力でサポートするという感じで、指導はとても丁寧で熱の入ったものでした。

もう一つのうちの高校の特徴は、先輩からも「受験は団体戦だ」と言われるぐらい競争心より仲間意識をすごく大事にしている点です。実際、私もクラスの子が毎日教室の後ろの黒板に書く、「あきらめたら最後」などの名言が励みになりましたし、みんなで切磋琢磨して受験勉強を乗り切ったという感じです。

私は、どの教科にもどことなく苦手意識がありましたが、一番ひどかったのは歴史です。ずっと暗記科目だと思っていて、東大では、どういう風に考えるのか、なぜそうなるのかなどが問われるということに気づいたのが遅く、ずいぶん苦労しました。夏の判定はC判定でしたが、おおまかに全体の流れをとらえてから、一つひとつの事象が全体の中でどういう役割を果たしているかを考えることができていなかったんだと思います。先生はCやE判定でも逆転できると励ましてくれましたし、合格体験記でも先輩の逆転劇を読みましたが、なかなか信じられません。周りからの情報もいろいろでしたから、最後は自分を信じてやるしかないと覚悟を決めました。

精神面では、周囲の人に対して常に感謝の気持ちを持つことが大切だと思います。学校の先生など、たくさんの方が協力してくださっていることを感じていたので、メモ帳に「私のためにがんばってくれている人がいる」と書いて、机の端の見える位置に置いて勉強していました。そうすると不思議に集中力が高まるのを覚えました。

切り替えと自分の方法を貫くことが大事

中川周くんの写真

中川 周 くん

1年 文Ⅱ

(麻布高等学校出身)

進振りの結果次第ですが、建築関係に進むか、経済に進むかで迷っています。建築には子どもの頃から興味がありましたし、経済は、高1の政治経済の先生の話が面白くて興味を持つようになりました。ただ、営利的である企業は性に合いそうではないですから、省庁などのほうが自分に合っている気がします。

麻布では個性を尊重する校風のためか、人は人、自分は自分という感じが強かった気がします。みんなと勉強の話をすることもないし、休み時間でも周りの目を気にせず勉強ができる雰囲気でした。 受験勉強に関しては、一部の真面目な人を除いて、ほとんどが高2の文化祭が終わってから本格的にスタートします。中学から遊んでいるので(笑)、他校よりスタートは早いかもしれません。しかしやるときはやるという人が多くて、あれだけ遊んでいたのにという人でも、一気にスイッチを切り替えられるから驚きです。

僕も中学の頃は遊んでばかりで、1週間の勉強時間が授業を含めて30分しかなかったこともあります。ただ高校に入ったら勉強しようと決めていて、高1からは厳しい塾に通いました。

部活は麻布の中でもきついことで有名なテニス部に所属していました。放課後は毎日練習がありましたし、日曜日も試合が多く、他の人より勉強時間は少なかったと思います。特に高2の夏はすさまじく、ほとんどテニスに明け暮れました。ただ、それで勉強する時間がなくなったことを悔やんだりはしませんでした。もともと時間がないと逆にやる気が出るタイプで、高校2年生になると昼休みはもちろん、自転車に乗っているときにリスニングの勉強をしたり、通学の電車の中でも勉強するなど、短い時間を有効に使うようにしました。机に向かってから勉強を始めるまでに時間のかかる人もいますが、それも無駄ですから、すぐに勉強を始める習慣をつけました。大事なのはとにかくメリハリをつけること。友達とは、勉強についてではなくたわいのない話をしていましたが、競争意識がなかったというのではなく、そうすることで息抜きができたからです。

勉強の仕方で大事だと思うのは、一旦、自分なりのやり方を決めたらそれを信じて貫くこと。僕の場合は、先輩から聞いた、「色々なものに手を出さずに一つのことを何回もした方がいい」というアドバイスに従って、同じテキストを3回解くようにしました。試験では解答すること、つまりアウトプットが必要ですから、1回や2回ではインプットで終わってしまい、アウトプットできるようにはならないからです。